第6回 「思わずテレビを壊したくなった〜HEROを視て」
この間の月曜日、テレビを視ていて、思わずテレビを壊したくなった。
午後9時からCX系列で放送されているドラマ『HERO』を視ていての話だ。
1月から始まった、この『HERO』が毎週30%以上の高視聴率をあげ、人気を集めているのは周知の事実である。
ここでは先週の放送を視ていての感想を中心にして書いてみたい。
まずはあらすじから。
 先週の事件は、羽田美智子扮するテレビキャスターが襲われた事件で犯人(高橋一生)が犯人として逮捕されたのだが実は羽田は犯人の顔をハッキリと見ておらず、高橋が彼女に恨みを持っているということで犯人にされてしまったという事件だ。結局、高橋は証拠不十分で釈放されるのだが、犯人が高橋でないと分かっても梅沢富美男扮する刑事と羽田が自分たちの名誉と生活を守るために高橋を犯人として追いつめ自殺させてしまう。しかも羽田はキムタク扮する検事を検事審査会に訴え、梅沢はキムタクの過去をマスコミにリークする。しかし、いつも通りのキムタクの執拗なまでの細かい調査により羽田も梅沢も自分たちの過ちを認め、事件は解決したかに見えたが・・・。という話だ。
 私は高橋が自殺したということがわかった瞬間、思わず、頭にきてテレビを壊しそうになった。
ドラマを視て号泣することは度々あるがテレビを壊したくなったのは初めてだ。
 でもよく考えれば、良い脚本の上に羽田美智子と小悪党の刑事を好演した梅沢の演技の上手さが重なったことにより、こちらも感情移入してしまったということだろう。良い意味でドラマに引きずり込まれたことで、視る側にも心地よい敗北感を感じさせてくれる内容だったということだ。
 さらに、このドラマは、その他の回でも脇役の演技が光っていた。高橋克実、宇梶剛士、金田明夫の演技などみな良かった。寺田農の使い方も良かった。レギュラーの脇役陣も良い。もちろんキムタクの演技も素晴らしい。
まさしく『HERO』は21世紀初頭を飾るドラマの傑作と言えよう。
最終回が楽しみだ。
(文中敬称略)
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