パール・ハーバー(2000年、アメリカ作品)

制   作 ジェリー・ブラッカイマーマイケル・ベイ
監   督 マイケル・ベイ
脚   本 ランダル・ウオレス      
音   楽 ハンス・ジマー
空撮監督 デビッド・B.ノーウェル
特殊効果 ジョン・フレイジャー

主   演 ベン・アフレック(レイフ・マコーレー)、ジョシュ・ハートネット(ダニー・ウオーカー)、
       ケイト・ベッキンセール(イブリン・ジョンソン)
その他の出演
アレック・ボールドウィン(ジェームズ・H・ドウリットル)、キューバ・グッディング・ジュニア(ドリー・ミラー)、
ジョン・ボイト(フランクリン・D・ルーズベルト)、ダン・エイクロイド(サーマン)、トム・サイズモア(アール)、
イーブン・ブレムナー(レッド)、ジェームス・キング(ベティ)、コーム・フィオレ(ハズモンド・E・キンメル)、
マコ(山本五十六)、ケリー・ヒロユキ・タガワ(源田実)
あらすじはここ

解 説

昨年から今年にかけて
超大作映画が相次いで公開された。
その中でも、「パールハーバー」は内容はともかく物議を醸した作品の1つではないだろうか。
確かに戦闘シーンは凄かった。
CGを駆使し
戦艦オクラホマの転覆や、スピード感あふれる空中戦、ドウーリトルの東京空襲などを
再現した。だが、どちらかというと円谷英二を意識しているような気がした。
ラブ・ストーリーも別に、いいんじゃない、という感じだった。
しかし、
それまでに同じ真珠湾攻撃を描いた「トラ!トラ!トラ!」や「太平洋の嵐」
をそれぞれ違った意味で超えることはできなかった。
もう少し、
戦闘シーンなどで
円谷を模倣するなら、模倣するで
後年、円谷が作った
「快獣ブースカ」などの子供向け特撮番組を見てから作るべきだったであろう。

また、
時代背景的なことをいうと、時間軸はメチャクチャな上に
日本軍の台詞も何か変で、
考証もハチャメチャだ(「トラ!トラ!トラ!」の考証には源田実氏が参加)
その上、真珠湾攻撃の計画中に陸軍も参加しているし、
まわりで遊んでいる子供たちも夏なのに凧を揚げており、
その凧も中国風で、失笑したくなるような内容だ。
その他
一々、その違いを挙げていったらきりがない。
もちろん、それまでの映画でも考証的な間違いはあった。
しかし、この映画はひどすぎた。
山本五十六役のマコはよく文句を言わなかったなあと思う。
また、アメリカ側についてもミッチャー提督の名前が、ただ、空母ホーネットの艦長としかクレジットが入っていなかった。
そういったこともあり
ともかく、目くじらをたてて日本の描き方が悪いということもあるまい。
結局、マイケル・ベイは、こういった意味ではたいしたことはない。ということだろう。
彼が同じ頃公開された「猿の惑星」の監督(マイケル・ベイも候補の一人だった)でなくて良かった。(文中敬称略)
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