小澤弘昌の私設民俗資料館
(静岡県清水町の灌漑用水を中心とした民俗と歴史)

丸池用水の協同慣行

丸池用水の概要


古池

丸池(新池)


 清水町の前身である清水村は明治22(1889)年、伏見村外十一ヶ村
(伏見・玉川長沢・柿田(かきだ)・八幡・新宿(しんしゅく)・湯川・的場・久米田
(くまいでん)・畑中・戸田・堂庭)と徳倉が合併して成立した(徳倉はそれま
では、上香貫村外六ヶ村に属していた)。それ以前に伏見村外十一ヶ村に
属していた大字の大部分は、泉郷と呼ばれその生活基盤である灌漑用水
を中心に二つの井郷に分けることができる。次の

丸池用水掛かりの地域=泉郷六ヶ村(堂庭・湯川・久米田・戸田・的場・畑中)

小浜用水掛かりの地域(新宿・伏見・玉川・八幡・長沢・柿田)
 である。これらの大字の水田の灌漑用水は、町内を流れる柿田川(泉川)
ではなく、三島市の小浜池(こはまいけ)を水源とする小浜(おばま)用水と
町内の玉川にある丸池を水源とする丸池用水であった。柿田川は清水町
内の水田から10メートル以上、下にあり、大正14(1925)年まで灌漑用
水として使用することができなかったからである。
 そのうちの丸池用水は、清水町の玉川にある丸池(円池)を水源とする灌
漑用水である。水源の丸池は周囲289メートル、面積7800平方メートル
の円形の池である。この灌漑用水は現在まで泉郷六ヶ村(現在は玉川が加
わり、「堂庭ほか六大字」)の人々の生活基盤である。
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